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森のようちえんとは?北欧発の自然教育スタイルが子どもの未来を育む!

森のようちえんの概要と発祥

森のようちえんとは何か?

 森のようちえんとは、自然体験を軸にした幼児教育スタイルの一つであり、「森」を主な活動拠点としながら子どもたちの成長を育む場です。「森」という言葉は単に森林を指すのではなく、海や川、里山、都市公園など、さまざまな自然環境を対象としています。この教育方法では、子どもたちが屋外活動を通じて自然と触れ合いながら、自ら学び、成長することを目指します。そのため、教室や園舎を持たない形態で運営される場合もあり、森や野外フィールドがそのまま教育の場となることが特徴です。

北欧で生まれた背景

 森のようちえんの発祥地は北欧諸国のデンマークです。この教育スタイルは1950年代に誕生し、子どもたちが豊かな自然環境の中で自由に遊び、成長するという理念のもと発展しました。北欧では、厳しい自然環境に適応する力を重視し、健康的で自立した子どもを育てることが教育方針の一環として長年取り組まれてきました。また、自然との共生や可視化された持続可能な社会構築の文化的背景も、森のようちえんの発展に大きく影響を与えています。

日本での受け入れと展開状況

 日本では1970年代末から1980年代にかけて森のようちえんの活動が始まりました。その後、2008年には「全国森のようちえんネットワーク連盟」が設立され、活動の広がりと認識が進んでいきました。現在では、認可外保育施設やNPO、さらには自治体などが主体となり、全国各地でさまざまな形式の森のようちえんが展開されています。また、自主保育サークルや自然体験プログラムの一環として取り入れられる活動も増えており、「森のようちえんってなに?」という疑問を感じる方々に対する認知度も向上しつつあります。

「自然教育」としての特徴

 森のようちえんの最大の特徴は「自然教育」にあります。子どもたちは自然の中で五感を使って学び、四季の移ろいや自然の営みを体感することで、それぞれの好奇心や想像力を育てます。また、遊びや活動の中で友達や保育者と協働することで、コミュニケーション能力や主体性も養われます。このように、自然を教材として活用し、子どもたち自身が「学ぶ力」を育成できる点が、森のようちえんが新しい教育スタイルとして注目される理由の一つです。

森のようちえんの教育的効果

自然環境が与える非認知能力への影響

 森のようちえんの特徴の一つは、自然環境を通じて子どもたちの非認知能力を育む点にあります。非認知能力とは、協調性や粘り強さ、自己制御能力など、学問的な知識やテストスコアでは測れない能力を指します。自然の中で遊ぶことで、子どもたちは物事に対する柔軟な考え方や創造力を自然に身につけ、他者と協力する大切さを学びます。また、不規則な地面の上を歩く体験や自然の中での冒険心が、自己効力感を高める効果が期待されています。これらの非認知能力の向上は、子どもの将来にわたり豊かな生活を支える重要な土台となります。

心身の成長を促す理由

 森のようちえんでは、体を使う活動が中心となるため、子どもたちの心身の発達に大きく寄与します。自然と触れ合いながら走ったり登ったりすることで運動能力が向上し、不規則な運動は子どものバランス感覚や筋力を育てます。また、自然の静けさや四季折々の美しい景色は、心を落ち着かせる効果があります。さらに、自然体験の中で困難を乗り越える経験が、子どもたちの精神的な強さやストレス耐性を高め、レジリエンスを育むきっかけにもつながります。

主体性を育む教育スタイル

 森のようちえんでは、子どもが主体的に活動に取り組むことを重視しています。この教育スタイルの中では、あらかじめ決められた遊び方を押し付けるのではなく、自由にフィールドを探索し、自分で考え行動する機会が与えられます。このような自主性を尊重するアプローチは、子どもの自己決定力や問題解決能力を育みます。また、大人が「見守る」姿勢を基本としているため、子どもは安心して挑戦し、自信を持つことができるのです。

SDGsとの関連性と現代の意義

 森のようちえんは、現代社会が目指す持続可能な開発目標(SDGs)とも深く関連しています。特に、「質の高い教育をみんなに」(目標4)や「陸の豊かさも守ろう」(目標15)といった目標は、森のようちえんの理念と強く結びついています。自然の中での教育は環境意識を高め、子どもたちに自然を大切にする心を芽生えさせます。また、未来を担う世代に持続可能な生活の大切さを具体的に理解させる場としても重要な役割を果たしているのです。このような自然と学ぶ新しい教育スタイルは、現代社会においてその意義がますます高まっています。

森のようちえんの活動内容

季節ごとの自然体験の魅力

 森のようちえんでは、四季の移ろいを感じながら自然を体験することが特徴です。春には新緑の中で昆虫観察や植物採集を行い、夏には川遊びや森林での探検を楽しみます。秋になると木の実や落ち葉を使った工作や収穫体験が行われ、冬には雪遊びや自然素材を活用したアート活動が盛り込まれます。このような季節に応じた体験は、自然そのものが子どもたちの学びの場となり、五感を通じて自然と触れ合うことで、豊かな感性や好奇心を育むことができます。

具体的なプログラム例

 森のようちえんでは、さまざまなプログラムが用意されています。例えば、山や野原を散策しながら生き物を探す「ネイチャーウォーク」や、自分たちで焚き火をして食事を作る「アウトドアクッキング」などがあります。また、水辺での生き物観察や、木々を使ったアクティビティも人気です。一部では、畑仕事や収穫を通じて「食育」を意識したプログラムを実施することもあります。同様に、自然をテーマにした絵本の読み聞かせを行ったり、親子で参加できる週末プログラムも多く用意されています。これらの体験活動を通じて、子どもたちは自然に親しむだけでなく、自ら考え行動する力を身につけていきます。

安全面とリスクマネジメント

 自然の中で活動する森のようちえんでは、安全管理が非常に重要です。参加する地域や環境によって、事前に危険を伴う場面を予測し、安全対策をしっかりと講じます。例えば、川遊びでは流れの速さや水深を確認し、子どもたちが安全に参加できる場所を選定します。また、木に登るアクティビティでは、適切な高さまでとし、大人がすぐにサポートできる体制を整えます。さらに、自然保育では教育的意義のある「リスク」にも目を向け、過剰に規制せず、失敗や挑戦を子どもたちが学べる経験として捉えます。このように、安心して活動できる環境づくりを徹底することで、より深い自然体験が可能になります。

保護者との連携・サポート体制

 森のようちえんでは、保護者との連携やサポート体制も重視されています。子どもたちがどのような体験をしているかを保護者に共有するだけでなく、時には保護者自身が活動に参加する機会も設けられます。また、専用の連絡ノートや写真共有を通じて、日々の成長や気づきを家庭と分かち合う取り組みも行われています。さらに、子どもの安全確保や緊急対応に対する保護者の理解を深めるため、事前説明会や安全研修を実施することもあります。保護者が活動の意義を理解し、家庭でも子どもたちの自然体験をサポートできるようになることで、森のようちえんの教育効果が一層高まると言えるでしょう。

森のようちえんが示す未来

次世代教育としての可能性

 森のようちえんは、次世代教育として大きな可能性を秘めています。その理由は、従来の教室内での学びに加え、自然を教育の場として活用することで、子どもたちの五感を豊かに育むことができる点にあります。このような「自然と学ぶ新しい教育スタイル」は、子どもたちに自ら考え行動する力を養わせ、未来の予測困難な社会に対応する柔軟性をもたらします。また、環境配慮への意識づけや、多様性を尊重する態度を子どもの頃から身につける点でも、持続可能な社会を育む次世代教育のモデルとして注目されています。

子どもたちに与える持続的な影響

 森のようちえんの活用は、子どもたちに持続的な影響を与えると言われています。自然の中に身を置くことで、感受性や創造性が刺激され、心の基盤を豊かに育てることが可能です。また、自由遊びを通じた自己決定の経験は、主体性や自己肯定感の向上にもつながります。このような非認知能力の発達は、成長後も人生における大きな資産となるでしょう。さらに、自然体験を通じて身につくコミュニケーション能力や問題解決力は、現代社会だけでなく未来社会でも有益であるため、長期的な教育効果が期待されています。

都会と地方との実現性の違い

 森のようちえんは、その活動スタイルにおいて都会と地方で実現性の違いが見られます。地方においては、広大な自然環境を活用した活動が展開しやすく、地域資源を活かした独自プログラムなどで特色を出すことが可能です。一方、都会では、自然環境が限られるため、都市公園や小規模の里山などをフィールドとして創意工夫が求められます。しかし、近年では「森のようちえんってなに?」という問いへの関心が都市部でも高まり、保護者主導の小規模な自主保育グループなども増加しています。こうした取り組みは、都会でも自然教育を可能にする一歩となっています。

日本社会における普及への課題

 日本社会において、森のようちえんを普及させるためにはいくつかの課題があります。まず、法的な位置づけが十分整備されていないため、運営者が安定的な運営を行うのが難しい現状があります。また、保護者への理解促進も重要な課題のひとつです。「自然教育」という新しい教育スタイルへの認知は進みつつありますが、具体的な活動内容や教育効果についての情報共有が求められます。さらに、教育者の育成や自然フィールドの確保、安全管理の徹底などのインフラ面の整備も不可欠です。これらの課題を克服し、多様な地域で活動が広がることで、「森のようちえんってなに?」という問いに具体的な答えを示す社会の構築が期待されています。

なな

私は5歳と7歳の子どもを育てながら、フルタイムで働くママです。夫も会社勤めをしているため、平日は習い事をさせるのがなかなか難しいなと思っているところです。
ただ、出来る限り子どもたちの興味や希望を尊重してあげたいので、働き方を模索中です。
普段の子どもたちの勉強を見るのは基本的に私か夫ですが、おうち学習の習慣が身についてきたので、今後も継続できるよう、ぷりぱらを通して一緒に成長できればと思います。
──
■習い事:英語、スイミング
■子どもの年齢:5歳と7歳

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